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球面

初等幾何学における球面(きゅうめん、英: sphere)は、完全球体 (ball) の表面を成す三次元空間内のまったく丸い幾何学的対象である。二次元の場合に、円板の境界が円周であるという関係の三次元的な対応物と考えることができる。
二次元空間における円周がそうであったように、与えられた点からの距離が一定値 r をもつような点全体の成す集合(ただし今の場合は点は三次元空間内でとる)として球面を定義することができる。このとき、与えられた点をこの球面あるいは球体(距離が r 以下の点全体)の中心といい、また距離 r をこの球面あるいは球体の半径と呼ぶ。球体の中を通り、球面上の二点を結ぶ最長の直線(球面の差し渡し)はかならずその中心を通り、半径の二倍に等しい。これを球面あるいは球体の直径と呼ぶ。
緩い言い方や数学以外の文脈では、「球」が「球面」と「球体」のどちらの意味でも用いられたり、”sphere” と “ball” の意味が入れ違っていたりすることもあるが、数学的には球面 (sphere) は三次元ユークリッド空間に埋め込まれた二次元閉曲面であり、球体 (ball) は三次元空間内の球面および球面の囲む「内側」を言うという区別は確立されたものである(いまのように球面を含める場合を特に「閉球体」と呼び、囲む領域に球面をまったく含めない場合には「開球体」と呼ぶ)。この区別は必ず守られるというようなものではないし、特に古い文献では中身の詰まった図形を「球」(sphere) としている。これは二次元の場合に、「円」が(中身の詰まった)「円板」の意味だったり(境界である)「円周」の意味だったりするのとちょうど同じである。

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