勉強習慣ゼロから偏差値60!具体的なロードマップ
この記事では、いま勉強習慣ゼロの高校生が、進研模試で偏差値60まで上げるための具体的な方法を紹介します。
いまから紹介する方法は、「基本的なことを正しく積み上げていく」ものであり、裏技的なものや”ずるい”勉強法のような類のものではありません。
従って、実践するには相応の頑張りが必要になります。
しかし、きちんと実践できれば必ず実力がつくことを保証します。
また、これからお伝えする方法を使えば、誤ったやり方を防止できます。
これは非常に重要で、毎年多くの高校生が間違ったやり方をして成績が上がらないと嘆いています。
この記事を執筆する動機も、そのような高校生をたくさん見てきて、なんとか彼らを救う手助けができないか?と考えたことにあります。
それでは前置きはこの辺にして本題に移っていきましょう。
目次
偏差値60は具体的にどのくらいのレベルの大学か
まず進研模試で偏差値60とは、
- 国語…平均点43
- 数学…平均点36
- 英語…平均点33
の場合に
- 国語…55~60点
- 数学…53~58点
- 英語…45~50点
くらいの点数です。
では、進研模試の偏差値60で目指せる大学はどんなところがあるでしょうか?
進研模試偏差値60で合格できる可能性が高い国立文系大学は以下の通りです。
<国立文系>
静岡大(人文社会科)、新潟大(人文)、新潟県立大(人間生活-子ども)、岐阜大(地域科)、横浜市立大(国際商)、都留文科大(文)、京都市立芸術大(美術)、岡山大(教育)、愛知県立大(教育福祉)
国立理系の場合、進研模試で偏差値60だと以下の大学に合格できるレベルであることが分かっています。
<国立理系>
金沢大(医薬保健学域-保健学類)、電気通信大(情報理工)、京都工芸繊維大(工芸科)、岡山大(医-保健)、岡山大(農)、広島大(理)、神戸大(海事科)
今度は偏差値60で合格できるレベルの私立大学を見ていきましょう。こちらも文系・理系ごとに見ていきます。
進研模試偏差値60で合格できる私立文系大学は以下の通りです。
<私立文系>
専修大(文)、武蔵野大(文)、日本大(危機管理)、関西学院大(神)、駒澤大(法)、駒澤大(経済)、専修大(経済)、東洋大(経済)、畿央大(教育)、西南学院大(人間科)
進研模試偏差値60で合格できる私立理系大学は以下の通りです。
<私立理系>
東京工科大(応用生物)、東京農業大(国際食料情報)、東京農業大(地域環境科)、杏林大(保健)、駒澤大(医療健康科)、駒沢女子大(看護)、日本大(理工)、甲南大(フロンティアサイエンス)、国際医療福祉大(薬)、国際医療福祉大(小田原保健医療)、順天堂大(保健看護)、帝京大(薬)
もちろん、これらの大学が志望校でない人でも、まずはひとつの通過点として偏差値60を目指すことをお勧めします。
受験までの残り期間にもよりますが、順調に伸びてきている場合、もっと上の大学を目指せる場合が多いです。
勉強習慣を身につけるための方法
以下の記事で勉強習慣を身につける方法を、具体例を交えて紹介しています。
必ず一度は目を通してください。
上記をまず読んでみて、実践するのが難しそうという人は、下記で勉強が続かない原因別に対処法を記載しているので、ぜひ参考にしてみてください。
なお、次の章で勉強計画の立て方を紹介しますが、自分で学習を進める場合、まずは2週間、毎日1時間でいいので勉強を継続してからにしてください。
いきなり計画を立てても自分の勉強のペースや1日でどれくらいこなせるのかを把握していないと、机上の空論になってしまいます。
英単語でも数学の基礎問題でも良いのでまずは「とりあえず毎日勉強する」ことからはじめましょう。
勉強計画を立てる
勉強計画を立てるには、必ず目標(=志望校)を明確にしましよう。
志望校志望学部の試験科目でどのレベルが必要か?から逆算して計画を立てることが重要です。
数学1A2Bの対策を実施していたが、志望校で実際に必要なのは片方だけだった、なんてことはよくあります。
そういったことがないように、具体的な勉強計画の立て方を以下の記事にまとめました。
上記記事では、計画策定の手順を以下のように示しています。
- 例年のデータから志望校の合格点を把握する。
- 合格点から科目ごとの目標点数を設定する。
- 過去問をみて目標点数をとるために到達しなければいけないレベルを把握する。
- そのレベルに到達するためにどの問題集をいつまでに終わらせるか計画をたてる。
- 策定した計画をもとに毎日の作業タスクに落とし込む
大学受験の場合、4つ目でどのような問題集を使ってレベルアップしていくかが重要で、ここを間違えてしまうと、せっかく計画を立てても効率は格段にわるくなってしまいます。。
そこで、これから科目ごとに実力をアップするための方法を書いていくので、志望校で使用する科目について自分の計画に落とし込んでください。
偏差値60は、各科目の<入門>〜<初級>までをクリアすれば到達可能です。
前提となる文章読解力と計算力
過去の進研模試で30点以下をとったことがある場合は、基本的な読解力や計算力に穴がある可能性が高いです。高校範囲の勉強から始めても、効率が悪いため以下から始めてください。
対策が手薄になりがちな現代文
現代文はなかなか伸ばしづらい、他の科目の負担が重いという理由から、大学受験で軽視されることも多いです。
確かにそういった側面も否定はできません。
しかし、共通テスト等で読解力の重要性が高まるばかりの昨今、”最低限の文章の読み方”は理解しておくべきだと思います。
部活生などで時間がないなどの理由で、戦略的に他の科目を優先する場合を除いて、全員が<入門>〜<初級>レベルの対策は行うべきだと思います。
現代文の対策は後回しにせず、なるべく計画の序盤に組み込みましょう。
詳細は以下にまとめています。
文理問わず配点が高い英語
英語は数学と並んで非常に重要な科目です。
中でも英語は言語なので、ちゃんとやれば誰でもやれば得点源にできるオイシイ科目です。
「受験勉強を頑張ったかどうかは英語の成績を見ればわかる」と言われるほどです。
英語は数学と並んで時間がかかる科目でもあるので、早めから対策をはじめましょう。
時間がかかり差がつきやすい数学
数学は習得に非常に時間がかかる科目です。
だからこそ、間違ったやり方で進めてしまうと時間がかかりすぎて大学受験全体の失敗につながる怖い科目です。。
特に、学校で配布される参考書や問題集は、教える側の都合から、基礎〜やや難しいものまで大量の問題が載っているものが渡される場合が多いです。(青チャートなど)
毎年本当に多くの高校生が陥るのが、その分厚い問題集を完璧にしようとして心が折れるか時間がかかりすぎて他の科目が疎かになるという失敗パターンです。
数学は復習が大切です。
分厚い問題集を使っていては、よほど数学が得意な人を除いて、問題が多すぎて復習する暇がありません。
従って、レベルに応じた薄めの問題集を、何冊か接続して、少しずつこなしていくことが重要です。
このやり方を実践することで、これまで数学に苦手意識を感じていた生徒さんでも、継続的に数学学習に取り組めるようになります。
そして、そんなに難しい問題を解いていないにも関わらず、テストの点数が前より取れるようになります。
これはしっかりと復習をして点を取るべき問題できちんと点を取る、という当たり前のことがいかに重要かを表しています。
いま学校で配られた分厚い問題集を使っていて、数学の点数がクラスで平均以下のすべての生徒さんに以下の記事を読んでほしいと思います。
文系でも共通テストで使うことが多い化学
化学は理系であれば理学工学系から生物医学系までどの学部を目指す場合でも受験で使用する可能性が高い科目です。
そんな化学の特徴は、一つの科目の中に理解と暗記の要素が両方含まれていること。
これにより、どのように勉強を進めていったらよいかわからなくなるケースをよく目にします。
しかし、意識して欲しいのは以下のことだけです。
まずは理論の以下の分野をきちんと理解することに全力を注いでください。
- 「結晶・電子配置」、「酸・塩基」、「酸化・還元」、「熱化学」、「電気・電子分解」
化学基礎であればそれだけで十分共通テストで点数が見込めますし、理系の場合でもその後の無機・有機の学習がスムーズに進みます。
具体的な学習の進め方は以下を参照ください。
高校の範囲だと割り切りも必要な物理
物理は得意と苦手が割とはっきりと出る科目です。
私は大学/大学院で物理学専攻でしたが、高校時代は最初物理に苦手意識がありました。
物理は「こういうものか」とわかるまで時間がかかる科目だと思います。
わかるようになると最も手堅く点数を稼げるのですが、そこまで到達するのが少し大変です。
具体的には、「物理のエッセンス」などで基礎問題演習をこなしただけではだめで、典型長文問題演習までやってはじめて点数が安定してきます。
わかった気になれずモチベーションが低下してしまうのは勿体無いです。
分野ごとに短めの期間で一気に典型長文問題演習まで駆け抜けるような学習の仕方をお薦めします。
がっつり暗記の日本史・世界史
日本史や世界史は暗記科目です。
「効果的な勉強方法で勉強する」で紹介する学習サイクルに従って、コツコツとインプットを進めていきましょう。
1点注意すべきは、近年、共通テストで読解力が必要な問題が出題されるようになってきていることです。
中には知識がなくても、読解力があれば解ける問題も出題されています。
過去問演習などを通じて、そういった問題への対策もしっかりと行なっておきましょう。
理系だけど暗記科目である生物
生物は目指すレベルによって難易度が大きく異なります。
共通テストレベルまでであれば、基本的には暗記科目なので、日本史や世界史と同じように得点を伸ばしていけます。
東大京大や医学部の2次試験の場合、論述対策も含め相応の対策が必要になります。
自分が目指すレベルを明確にして、そこから逆算した学習をすることが効率的な生物習得のカギになります。
疎かにしがちな古文・漢文
他の科目に比べて古文・漢文はどうしても力の入れ方が弱くなりがちです。
たしかに、時間がない中で優先順位をつけながら学習をしていかないといけないので、気持ちはわかります。
しかし、出題内容が毎年ほとんど同じで、インプットすべき情報もさほど多くない古文・漢文だからこそ、効率的に共通テストで6割を目指せる方法があります。
比較的短時間でそれなりの点数が見込める科目なので、苦手意識がある人も「足を引っ張らない」程度に対策をしておきましょう。
効果的な勉強方法で勉強する
学習を進めていく上で、意識した方が良いことを科目別に紹介します。
まずは全体を通じてですが、チェックの付け方を工夫して復習対象を管理しましょう。
目的は復習すべき問題とそれ以外の問題の選別です。
具体的には、解けなかった問題は「/」のようにし、解けた問題は「\」のようにするのが良いと思います。
いま取り組んでいる問題集がすべて「\」になるまでやり込みましょう。
また、「/」が多い問題は、一度「\」になったあとも期間をあけて再度やってみると解けなかったりするので、問題をいつ解いたか?も確りと記録しておくことが大切です。
では科目別です。
・英語:音読を活用する。特に英単語は”読めない単語は覚えられない”ため、単語を使ったフレーズや例文を声に出して読むことが重要です。
・数学:一度解いた問題をそのままにせず、繰り返し復習を行うことが大切です。同じ問題集を最大6周するまでやり込みましょう。ここまでやると進研模試レベルの問題はほとんど怖くなくなります。なお、一つの問題で悩むのは1問25分までにしましょう。スムーズに解けない問題が何個も続く場合、問題集のレベルがあっていないので一つ前の段階の問題集に戻りましょう。
・化学:一つの科目の中に理解と暗記が混在するのが少し特殊な科目です。まずは理論の以下分野を理解することでその後の学習がスムーズになります。
- 「結晶・電子配置」、「酸・塩基」、「酸化・還元」、「熱化学」、「電気・電子分解」
・物理:数学と違って、公式の導出は高校の範囲では不可能な場合も多いので、深追いせず「そういうものだ」と受け入れる、割り切りも大事。例えば、なぜma=Fなのか?にこだわりすぎないことが大事。
・生物・日本史・世界史:暗記系の科目は、<入門>レベルの取り組み方が重要です。以下を1セットとして繰り返し学習してください。
- 1日目:
①メイン本の学習する単元を2回読む。→「ノート形式の問題集」を解く。(1回目から書き込まないこと!)→間違えたところのメイン本をもう一度読む。
②同じ単元の問題集(基本問題まで)を解く。 - 2日目:
1日目の復習→新しい単元について1日目と同じことをする。 - 3日目:
前日と前々日の復習→新しい単元について1日目と同じことをする。
※一度全範囲終えて、2週目をやる際は必要に応じて問題集の発展例題までといてみよう。単元ごとの解ける解けないでこれまでの自身の理解度が確認できます。
モチベーションを維持する方法
モチベーションを維持するためには以下の取り組みが重要です。
- 目標を人に宣言する
- 勉強時間を記録する
- できるだけ勉強を開始する場所を固定する
- 時には思い切って休む
休息について、よっぽど切羽詰まっている場合を除き、目安として1週間に半日程度は勉強しない時間を作りましょう。
脳が疲労している状態で勉強しても効率が悪いです。
なお、1日の勉強時間の目安は、受験生で平日3時間、休日8時間です。だらだらと続けるのではなく、集中して取り組むことを意識しましょう。
また、勉強時間はストップウォッチで測ると良いです。
毎日4時間やってます、という人でも思った以上に、トイレ休憩や科目間のインターバルで時間を消費していて、実際に問題を解いているのは2時間半だけだった、なんてこともよくあります。
まとめ
この記事では、いま勉強習慣ゼロの高校生が、進研模試で偏差値60まで上げるための具体的な方法を紹介しました。
記載した方法を参考にしながら、以下の順番で進めていきましょう。
- とりあえず毎日勉強する習慣を作る
- 勉強計画を立てる
- 効果的な勉強方法を身につける
- モチベーションを維持する
どうしても自分だけで進めることが難しい場合、当会のサービスをご検討ください。
当会では、以下のコースを開講しています。
- 毎日15分授業で勉強習慣と英数の基礎を身につけるコース
- 勉強計画の策定や一人ひとりに合った勉強方法を教えてもらえるコース(学習コーチ)
この記事をきっかけに一人でも多くの高校生が「勉強の最初の一歩」を踏み出せることを願っています。